認知症の家族がいます。すごく怒りっぽいのですが、これは仕方ないのでしょうか

認知症の方は怒りっぽい、これは仕方のないことなのです。ですが、適切に対応してあげることで和らげることもできます。そういうものだと知ったうえで、優しい対応をしてあげることで、お互いにかかるストレスは減らしていくことができると思います


こんにちは。心理カウンセラーの深海です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

認知症……とても大変な病気です。

本人よりも周囲のほうが、こんなにも苦しい病気って、他に類を見ないですよね。

かくいう私も、身内に認知症の症状を見る機会があり、他人事ではないな……と感じています。

今回は、認知症の怒りっぽさに関するご相談にお答えしていきたいと思います。

認知症の家族が怒りっぽい。これは仕方ないのでしょうか、というご相談です。

結論から申しましょう……これは、仕方ないです。

怒りっぽくなることは、認知症の症状のひとつです。

しかも、初期症状として現われることも多く、「怒りっぽくなった」ということから、もしや認知症? と気づかれる方も多いかと思います。

認知症の中でも最も割合が多いと言われる、「アルツハイマー型」の認知症。

その代表的な症状が「怒りっぽい」ですから、認知症において怒りっぽいということは、実に一般的な症状であると言えるのです。

とはいえ、ご家族のできる対処法、対応のコツといったものがありますので、まだ諦めないでくださいね。

〇自尊心を傷つけない

まず、認知症の方が怒りっぽくなる原因について、見ていきましょう。

これがわかると、対処法についてもかなり納得できるものがありますよ。

認知症で怒りっぽくなる……というのは、単に病変のためにそうなるだけではありません。

もちろん、脳細胞に異変が起こるのが認知症ですから、その影響で怒りっぽくなっているのはあるのです。

それまでできていた、感情の抑制ができなくなります。

誰しも、ちょっと怒っても、その感情をストレートにあらわにしたりはしないものですが、認知症になると、表面にそれが出てしまうのですね。

しかし、そのほかにも、怒りっぽくなる原因があります。

その代表的なものは、「自分が、バカにされている! 軽んじられている!」と感じる事!

認知症では、ただでさえ、脳細胞に異変が起こり、忘れっぽくなる。

同じ話を繰り返す、あるいは、怒りっぽくなるのもそうですね。

こうした異常行動が出始めます。

それで、ご家族から見れば、『あぁ、おじいちゃん、もうトシだから忘れっぽくなったのね』となることも多く、そのご家族の態度を見て、当人は、「自分のことをバカにしている!」と感じてしまうのです。

ご家族が、忘れっぽくなったのね、と温和に対応してくだされば良いほうで、時には、「忘れっぽいんだから、ちゃんと書いておいてよ!」「どうせまた、忘れてんでしょ」などといった、冷たい態度で対応してしまうこともあります。

患者さんが怒りっぽくなっていればなおさら、本人と介護者との間で、感情のすれ違いが起こり、介護者が冷たくなってしまうことが多いものです。

すると、認知症のご本人としては、バカにされている! 軽んじられている! ということを顕著に感じてしまう。

そのうえ、認知症によって感情の抑えはきかなくなっているため、ますます怒りっぽくなるというわけなのです。

ですから、認知症の怒りっぽさに対応するためには、まず、本人に「軽んじられている」と感じさせないことが、とても大切なのです。

つまり、ご本人の自尊心を傷つけないようにする、ということですね。

例えば、認知症では、誰もいないのに「誰かがいる」とか、自分でどこかに置いて、それを忘れているのに、「誰かに財布を盗られた」なんて言い出すことがあります。

こういった妄想的な行動に対し、「それは、おばあちゃんの思い込みですよ」とか、「ウソつき」というような対応をしてしまうと、当然ご本人は怒りますよ。

財布が盗られたというときに、「おばあちゃんがどこかにしまったんでしょ」などというのは、ご本人が「自分はちゃんとできている!」という自尊心を持っているところをまともに崩してしまいますので、たちまち怒り出すのです。

「誰かが居る」というのなら「一緒に確かめに行きましょう」、「盗られた」と言うのなら「なくなったのね? 大変、一緒に探しましょう」など、本人を否定しない対応をとり、そうしている間に、ご本人の好きなテレビやお菓子の話などに、話題を変えてしまいましょう。

すると、別の話題に気を取られて、妄想のことを忘れ落ち着くことが多いですよ。

また、当然探しても見つからないことが多いですから、「一服して、もう一度探してみましょう」などと、お部屋を変えてお茶でも出してみるのも効果的ですよ。

ちなみにですが、お財布を取られた、お金を取られたというのは「モノ盗られ妄想」という名前がつけられており、これもまた認知症の一般的な症状です。

「盗られた!」と騒ぎ、身近な人、心を許している相手を、犯人扱いすることが多いのですが、探すときには「盗られたの? 探しましょう」ではなく、「なくなったの? 探しましょう」と、介護者が「盗られた」という表現を使わないことが大切なのだそうですよ。

〇抱えているストレスを分かってあげる

また、認知症になったご本人は、色々な認知機能が落ち、常に、「いろんなことが、よくわからない……」という不安に晒されています。

そのストレスはかなりのものです。

また、認知症では、「ものごとはわからなくなるが、感情がなくなるわけではない」のが特徴のひとつ。

認知症の方のご家族は、「認知症だから、何もわからない」と思いがちですが、真実はそうではないことがわかっています。

出来事は忘れてしまいますが、感情はありますから、不安いっぱい、ストレスいっぱい。安心したいのです。

声かけが不十分なままに介護を行うと、「自分は何をされているのか」という不安感を煽り、余計に怒らせてしまうことがありますから、触れるときや、何かを行うときは、事前に「身体を起こしましょう」など、声かけを。

同じ話を繰り返す傾向にありますから、対応が冷たくなりがちですが、ここを改善してあたたかくお相手を。そうするだけで、ご本人が安心し、怒りっぽさがかなり軽減することもあるのです。

認知症は、ご家族の方の苦労もひとしおですが、優しさで解決することもあるのです。

認知症だから、怒りっぽいのは仕方ないよね……というだけではなく、ちょっとした優しさを交えた対応で、改善する可能性があることを覚えておくと良いですよ。

認知症と怒りっぽい性格になってしまう原因の話はいかがでしたか。人にもっと優しくできるヒントを知りたい方はこちら

◯この記事がお役に立ちましたらぜひソーシャルメディアで共有してくださいね^^

最新の人気記事

サブコンテンツ