強迫性障害を持っていて子供を作ってもいいのか不安です。遺伝しますか?

強迫性障害は遺伝するのかという質問をいただきました。するかしないかで言うとちょっと曖昧なところがあります。育ってきた環境が左右することがあるからなんですね。実例を交えてご紹介していきます。


こんにちは。心理カウンセラーの深海です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

強迫性障害は、男女の性別を問わず、また、年齢を問わず、何らかの切っ掛けで発症する、心の問題です。

その中にはもちろん、結婚や、出産適齢期の女性も含まれますので、当然、「子どもを作れるのか」「遺伝しないのか」という不安がわき出てまいりますね。

そこで今回は、強迫性障害と妊娠・出産、遺伝ということについて、考えてみたいと思います。

〇家庭環境が影響する

まず、強迫性障害が遺伝するのか? しないのか? という点ですが、こちらは、「もしかしたら、するかも」程度のレベルと考えていただければ、結構だと思います。

とはいえ、これではあまりにも曖昧なので、詳しく解説しますね。

強迫性障害のある人について、その遺伝性を確認したところ、第一度近親者……つまり、その人の親と、子どもと兄弟……には、10~20%の割合で、同じく強迫性障害がみられました。

また、強迫性障害のある人の子が、一卵性双生児だった場合を調査した結果、一致率は60~90%となりました。

つまり、一卵性双生児のうち60~90%は、「二人とも強迫性障害がある」と判断されたというわけです。

この結果から、強迫性障害については、「遺伝性は、やや、ある」という認識がなされています。

しかし、これらの実験結果を見てさえも、「遺伝性はあるよ!」と断言することはできません。

それは何故かというと、強迫性障害の症状を引き起こす主な原因のひとつ、脳内の伝達物質「セロトニン」には、遺伝的な要素がないからなのです。

ですから、セロトニンが不足していたからといって、その親や子が同じようにセロトニン不足になっているとは限りません。

それに、強迫性障害は、その人の生まれ育った家庭環境に大きく発症を左右される傾向があります。

よくある例をお話しましょう。

〇厳しいルールがあった

20代の、女性の方です。ご両親はどちらも、強迫性障害ではなく、心身共に至って健康です。

しかし、この女性は以前から、軽度の潔癖症の症状を持っていました。

家の中は常にキレイに保たなくては。そんな理想も持っていました。

その理由は、幼い頃からの両親の躾です。

両親の躾は同年代の子たちと比べても、明らかに厳しく、家の中は常にキレイに。

掃除は1日に2度……など、お手伝いの中身も全て決められていましたし、厳しい両親の手前、手を抜くことも許されていませんでした。

実は、潔癖症や、強迫性障害を抱えている特徴のひとつとして、「幼少期の躾が非常に厳しい」ということが挙げられます。

ご両親の多くは、子どものためと思って行っていることですが、厳しさが度を超えると、何年もの月日が流れた後、子どもの頭に「〇〇しなくては」「〇〇してはダメ」と、不要な固定観念が作られるようになります。

これが、お子さんの強迫性障害を招くというメカニズムです。

ご両親のどちらかが、強迫性障害であるかどうかは、ここでは無関係です。

例に挙げました女性の場合も、遺伝で強迫性障害が発生したのではなく、ご両親の躾から強迫性障害を生じさせていると考えられます。

何故、躾が厳しいと、強迫性障害を生じるのか? ということについては、詳しいことはわかっていませんが、仮説として、幼少期に「そのままの姿」を両親から愛されたという実感が持てず、また、他人の意志で生活することに慣れて、自分の意志や判断力を十分に成長させることができなかった。

そのため、自分と、自分の判断力に自信が持てず、年齢があがってから、何かを何度も何度も確認しないと不安で仕方なかったり、何か失敗をするのではないか、とおののくような症状があらわれるのだ……ということが言われているのですね。

本題に戻りますが、このように、強迫性障害には多少の遺伝性は認められるものの、遺伝に確実性はありません。

第一度近親者に10%ほどの遺伝がみられるといいますが、第一度近親者は幼少期から非常に近しい家族として育つわけですから、遺伝というよりも、関係が近いために、強迫性障害の方から躾を受けることで、子どももまた強迫性障害になっていった可能性も否定できません。

強迫性障害の一卵性双生児は、90%が二人とも強迫性障害になっている……といっても、同じ両親に同じような育て方をされるため、生活環境が類似し、遺伝ではなく、環境のために強迫性障害になっている可能性もあるのです。

従って、遺伝を理由に子どもを作るのを諦めることは決してありません。

ただ、強迫性障害には、投薬治療があります。

お薬を飲んでいると、妊娠・出産をお勧めできない側面もありますので、あなたの状況が、投薬治療に値するのか、それともお薬をやめても大丈夫なのかについては、処方を出してくれた心の専門家に相談してくださいね。

出産、育児についても同様です。

ケースバイケースの判断が求められる部分もありますので、遺伝の可能性が少ないからといって、一概に「大丈夫!」と断言はできませんが、まずは心の専門家に聞いてみてくださいね。

強迫性障害の遺伝についての話はいかがでしたか。自分を変えるヒントがつまった話を聞きたい方はこちら

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