強迫性障害で人を引いてないかと運転が怖い。どうしたらいいですか?

強迫性障害によって運転が怖いと訴える方もいます。いったいどんな感情が湧きおこっているのか、またどうすれば克服していけるのかということを今回お伝えいたします。不安を抱えている方は早めに相談することをお勧めしますよ。


こんにちは。心理カウンセラーの深海です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

強迫性障害の症状のひとつに、「加害不安」というものがあります。

これは、自分が人のことを傷つけてしまったのではないか? ということが、不安になって仕方ないというもの。

その代表的なものが、今回のご相談にあった、「人を轢いていないか心配で、運転が怖い」という心配です。

加害不安の症状には、車を運転するのが怖くてできない、ということ以外にも、歩いていてもすれ違った人を傷つけてしまう、あるいは傷つけてしまったのではないかと怖くなるので、他の通行人と異常に距離をとって歩いたりします。

車で轢いてしまったのではないかという不安の場合も、すれ違った人を傷つけるのではないかという不安の場合も、実際に車を運転して外に出て、何事もなかったのに、何度も轢いたような気になって後ろを確認したりします。

車を降りて、轢いたと思った場所に戻ることもあります。

また、歩いていて、人とすれ違った場合も、実際には傷つけたりしていないのに、後ろを振り向いて、傷つけたのではないかと確認します。

通り過ぎて、遠くなったとしても、不安は消えず、自分が気づいていないだけで、傷つけたに違いない、といったような考え方をしてしまいます。

最終的にはその架空の事件が、ニュースに出ていないかと、ニュースや新聞をチェックしたり、警察に出頭してしまうこともあるのです。

これらの恐怖や、強迫行動から、外に出ることもできなくなる場合があり、結果として生活に支障を来たしてしまう……それが、加害不安です。

加害不安の中には、昨今時折起こる、「インターネットでの殺人予告」を、自分もしたのではないか、と恐れて、とにかくパソコンを起動し、そのような予告をした記録がないかどうか、何度も何度も確認するという人もいます。

また、会社に損害を与える……というパターンもあります。

もちろん、実際に損害を与えるわけではなく、普通に仕事をしている間にも、なにかミスをして会社に損害を与えてしまうのではないか、という不安をぬぐうことができません。

見積書を確認しても確認しても、まだ数字が違っているのではないかと不安です。

細かい書類から、日報までを繰り返し確認し続ける結果として、残業が多く仕事は進まないので、上司に怒られたり、低い評価しか得られません。

職場での評価があがらず、周囲からの視線は冷たいので、ますます不安が強まり、確認の行動を助長する結果となります。

〇加害不安を解消するためには

これらの、加害不安の症状は、日常的に、素人判断で対策をするのはとても難しいことです。

強迫性障害のためのカウンセリングの、ひとつの手法に、曝露反応妨害法というものがあります。

曝露反応妨害法は、さまざまな強迫性障害の症状と同じく、加害不安の症状にも有効です。

ただ、カウンセリングに明るくない人が、簡単に行うことは難しいとされているので、注意が必要です。

曝露反応妨害法というのは、自分が不安に思っていることをあえて行い、その結果、予想したようなことが起こっていないと確認し、不安を克服する方法です。

冒頭のご相談のように、「人を轢いていないか不安で、運転が怖い」というケースでは、あえて運転をするようにします。

一度のトライでは、運転するまでに至らない場合もありますし、運転をする前に徒歩からはじめなくてはならない場合もあるかと思いますが、できる範囲内で、あなたの怖いことにあえて挑戦するのです。

実際に公道で運転をしても、人を轢いたりすることはない。

人を轢かずに家に戻れた。という経験を積み、何度も何度も行って、人を轢くことへの不安を徐々に解消していくのです。

曝露反応妨害法の難しいところは、不安が完全に払拭されないうちに、この治療を途中でやめてしまうと、かえって不安を大きくしてしまうということ。

運転が怖い人にとって、運転に挑戦することはとても大変です。

精神的な負担も大きいので、無理やり運転をして、次に「もう絶対運転したくない!」という気持ちになってしまうこともあります。

そして、運転することがさらに不安になり、もっともっと運転できなくなってしまうのです。

したがって、曝露反応妨害法を行うときは、必ず、この方法に対する知識と経験のある心理カウンセラーや、それに準じる心の専門家からの協力とアドバイスが必要です。

「こういう治療法がある!」ということを知っても、それを自分で勝手に実行しようとすると、失敗したときに症状をかえって悪化させてしまう可能性があることを、決して忘れてはなりません。

運転しようと思って運転できるのなら、強迫性障害にはならないのです。

人を轢いていないか怖い、轢いたはずはないと思っても、轢いたのではないかという不安がぬぐえないから、生活に支障をきたす。それでこそ強迫性障害だと言えます。

風邪やなにかのように、家庭で簡単にできる治療法があれば良いですが、心の問題はそういったものではありません。

外出できない、運転が怖いなどという場合には、まず心の専門家に相談すること。

できるだけ、早いうちの相談がおすすめですよ。

強迫性障害で運転が怖いという場合の対処法の話はいかがでしたか。自分のメンタルを強くするヒントがつまった話を聞きたい方はこちら

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