私はネグレクトされて育ってきた、子育てをする自信がない。どうすればいい?

虐待されて育った過去がある人は自分の子供を虐待しやすいという話があります。ネグレクトが子育てに与える影響というものは非常に大きなものとなる可能性があります。でも安心してください。適切な方法でそれを改善することができます


こんにちは。心理カウンセラーの松です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

皆さんの悩みを聞きながら、一緒に解決方法を考えていきたいと思います。

自分に自信がない、と言う場合、その悩みは自分の容姿だったり、性格だったりします。

容姿に自信がないなら、ダイエットしたりプチ整形したり、解決方法は具体的です。

やれば必ず成果がでますから、悩みはある程度解消するでしょう。

でも性格や心の問題はちょっと要注意。

100%の解決方法はなかなか見つかりません。

心の悩み、考えかたは人それぞれ、感じ方も違います。

今回は、親からネグレクトされて育ったために、子育てをする自信が無い、という悩みについて、考えていきましょう。

○親からネグレクトされて育った人の特徴

ネグレクトとは、いわゆる育児放棄、育児怠慢を指す虐待用語です。

子供に無関心な親、経済的理由などで子供に適切な育児をしない場合、それは親からのネグレクト、虐待になるのです。

親からネグレクトされて育った人の特徴として、特に幼児期にネグレクトを受けた子供は、成長して大人になってからも人間関係に亀裂が入りやすくなります。

人を信じられない、または他人に依存しすぎて束縛してしまう、せっかく良い関係になっても先に進むのが怖い…

これは自分の性格に問題があるのではなく、自分の生育歴から起こる場合がほとんどです。

そしてこれらは親からネグレクトされて育った人の特徴をほぼ言い表していると言っても良いでしょう。

でも大丈夫、安心して下さい。

ネグレクトは、自分のトラウマを見つけ、適切なカウンセリングを受ける事で新しい自分を再生できます。

むしろ心の痛みを知っている分、子育てに慎重になり、より良い親になれる可能性が高いのです。

今回は、私のクライアントさんの中から、手ひどいネグレクトを受けた薫さん(仮名)30歳の事例をご紹介しましょう。

○子供嫌悪症という病

「あっ!危ない!」

私は思わず叫びました。

診察室のベッドに座っていた由美ちゃん(仮名)3歳の女の子が、いきなり立ち上がり、ベッドから飛び降りたのです。

彼女はそのまま壁に向かって走り、自分の頭をおもむろにゴン、ゴン、と壁に打ち付け始めました。

私が母親の薫さんと話し初めて、わずか数分という間に起きた出来事でした。

薫さんはそんな由美ちゃんをちらりと見つめましたが、何も見なかった様に延々と育児の悩みを話続けました。

「由美は本当に育てにくいんです。ご飯もあまり食べないし、呼んでも返事をしない、おもちゃをいくら言っても片付けられないんです…」

私は黙って話を聞きながら、由美ちゃんの様子を観察しました。

由美ちゃんは壁に向かって無言で頭をぶつけています。

視線は動かず、一点を見つめたままです。

その表情は、虐待児特有の“凍り付いた瞳”でした。

「…由美を触るのも嫌で、最近は手袋をして着替えをさせてるんです」

薫さんは淡々といかに由美ちゃんが嫌いかを話続けます。

由美ちゃんに聞こえていても構わない、というその態度に、私は最初に感じた「育児不安」よりも、「ペドフォビア 」という病名が頭に浮かんできました。

ペドフォビア、とは日本語に訳すと「子供嫌悪症」が当てはまります。

子供嫌いよりもむしろ子供憎悪に近い感情を持つ場合が多く、見るのも触るのも嫌、声を聞いただけでブチキレてしまうなど、凄まじい嫌悪感を子供に持つのが特徴です。

よく高所恐怖症や先端恐怖症という言葉がありますが、このペドフォビアも同類です。

何かのトラウマや、子供の時の記憶から発症すると言われています。

薫さんは両親が離婚し、母親の叔母に育てられました。

そこには薫さんと年の近いいとこの息子と娘がいましたが、叔母は薫さんだけをほぼ無視するというネグレクトをしたそうです。

いとこにはおやつやお小遣いがありましたが、薫さんは貰った事がなく、高校に入ってバイトするまで、自分でお金を持って何かを買うという行為をしたことがなかったと言います。

温かい言葉をかけて貰えず、最低限の食事、寝る場所だけはある、そんなネグレクトを薫さんはずっと受けて育ちました。

叔母の家を出たい一心で高校卒業後、薫さんはすぐにつき合っていたBFと同棲を始めます。

しかしうまくいかずに数ヶ月で別れ、その後似たよう恋愛を何度か繰り返した後、6つ年上の今の旦那様と知り合い、結婚し由美ちゃんが生まれたのでした。

赤ちゃんが生まれても抱っこするのを嫌がり、授乳をさせようとしない薫さんに医者から児童相談所に連絡が行き、由美ちゃんは生まれてすぐ乳児院に引き取られました。

母親の精神的育児不安という理由で入所しましたが、しばらくして帰宅をうながしても1週間と持たずに薫さんはすぐに育てられないと電話をかけて訴えます。

しかし夫である父親が早く引き取りたいと児相にたびたび申し入れ、薫さんの精神状態を調べるために私の所にカウンセリングに来たのです。

○自分の育て直しをする

薫さんは自己評価が低く、話の途中によく「自分なんか…」という言葉が出ました。

私は注意深く聞き取りながら、薫さんが由美ちゃんを育てられないのは、あなたのせいじゃない、あなたはよく頑張っていると繰り返し励ましました。

由美ちゃんの乳児院に付き添い、他の保育士が子供の着替えや食事を与えている所を見せながら、3歳の子供は食事も遅いし、片付けはまだきちんと出来ない事を目で知らせました。

薫さんは沢山の子供が泣いたり、食事をこぼしながら食べている光景をずっと眺めていました。

私は無理に由美ちゃんと二人きりにせず、薫さんのカウンセリングを主に続けていきました。

そのまま、10ヶ月程たった頃の事です。

由美ちゃんはお遊戯が得意でした。

食事も着替えも遅いのに、テレビからアニメの音楽が流れると、すばやくテレビの前に移動して、主人公に合わせて歌ったり踊ったりするのです。

たまたま薫さんに付き添って乳児院に来ている時、由美ちゃんは丁度妖怪ウォッチの曲に合わせて踊っていました。

よほど楽しかったのでしょう、薫さんを見かけると、笑顔で「ママ!」と駆け寄って来たのです。

今まで由美ちゃんの方から薫さんに話しかけるのを見た事が無かったので、私はびっくりしました。

薫さんは笑顔で駆け寄って来た我が子を自然に抱きしめていました。

あんなに嫌いだ、と話していた由美ちゃんをしっかりと抱きしめ、「由美、踊り上手だね。」と褒めてあげたのです。

○協力して育てる

由美ちゃんにはベテランの保育士が担当についていました。

この事をきっかけにして由美ちゃんが笑顔で踊ったり、大好きなおやつを食べて上機嫌でいる時に、さりげなく薫さんを同伴させ、子供の世話のアドバイスや由美ちゃんの良い所を伝える様にしたのです。

また、薫さんの夫にも個別でカウンセリングし、薫さんの育児放棄は彼女自身がネグレクトを受けた事が原因である事、夫婦の協力が大切な事を話しました。

幸い薫さんの夫は優しく理解のある人で、子育ても協力する事を約束してくれました。

定期的にカウンセリングを受ける事、ベテランの保育士が、自宅を訪問して様子を見る事を条件に、由美ちゃんは生まれて3年たってから、初めて自分の家に帰る事になりました。

薫さんは子育てのイロハを乳児院で学び、優しい旦那様の協力も得ながら由美ちゃんとの生活をスタートさせました。

そして由美ちゃんが自宅に帰って半年後、カウンセリングは終了しました。

由美ちゃんを可愛がって育てる事で、薫さんは子供時代の惨めな自分を一緒に育て直し、過去の自分と決別する事ができたのです。

いかがですか。ネグレクトされると、自分の子育てに不安を感じるのは当然です。

しかし、それは大人になって自分を見つめ直し、育て直す事で不安を自信に変えて行けます。

適切な子育てを受けなくても、周囲の理解と自分が学んで行く事で、安心して子育てできるようになります。

そして子育てをする事で、いつのまにか自分を投影し、自分がされたかった育児を自分が子供にする事で一緒に心の修復が図れます。

ネグレクトされた人は、自分の心のケアを正しく行う事で、素晴らしい親子関係を築けるといっても過言ではありません。

ネグレクトされて育てば、自分の育児が不安なのは当然です。

周囲に協力してもらい、自分も子育ての正しい知識を身につけて下さい。

1人で子育てをするのは誰だって大変です。

悩まず、色んな情報やサービスを利用しましょう。

子供が産まれたら、子供の人生はあなた次第なのです。

どうか自信を持って下さい。大丈夫、あなたはきっと、子供を可愛がる事が出来ます。

ネグレクトが子育てに与える影響とその改善についての話はいかがでしたか。人は変われます。その変わるためのヒントがつまった話を聞きたい方はこちら

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