親にネグレクトされて育ったせいか、人付き合いが下手です。どうしたらいいですか?

親にネグレクトされて育つとどういう影響があると思いますか。それは時に心の病の原因でもあったりします。今回は以前に私が担当させてもらったクライアントさんの実例を交えて紹介していきます。


こんにちは。心理カウンセラーの松です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

皆さん、それぞれ悩んでいる事ってありますよね。

特に若い方は自分の容姿や性格について、いつもどこかで不安に思っているのではないでしょうか。

今回は、クライアントさんの、「人付き合いが苦手」、という性格について考えてみたいと思います。

特に“親にネグレクト”されたから、というトラウマから生じる悩みについて、その解決方法をご紹介しましょう。

○ネグレクトとは

ネグレクトとは、虐待の一種です。

暴力ではありませんが、適切な育児をしない、子供を放置する親によく使われています。

ネグレクトは親が意識的に行っていない事が多く、子供も自分が虐待されている事に気づきにくいのが特徴です。

子供は無視されたり、食事を満足に与えられなくても、ある程度大きくなると自分で調理したり、買い物をする事で解決できます。

そのため大きくなるまで親のネグレクトに気づかず育ち、社会に出てから人間関係につまずく事で気づく場合もあります。

クライアントさんも、おそらく人付き合いが苦手なのは性格か、生育のせいなのか悩んだかもしれませんね。

○ネグレクトの後遺症

人間関係に悩む人は、心理的にいえば2つのパターンが考えられます。

一つはパーソナリティ障害です。

中でも境界型パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害は、20代の女性に最も多い障害です。

他人との関係が上手く作れない、思考が両極端で喜怒哀楽が激しい、依存性が高く、聞き入れられないと自傷行為に陥りやすい、これらはみなこのパーソナリティ障害の特徴です。

もうひとつはアダルトチルドレンです。

アダルトチルドレンもパーソナリティ障害の範疇ですが、こちらは男女、年齢関係なく起こります。

この2つはどちらも幼児期のネグレクトが原因だと言われています。

生育環境は人それぞれですから100%ではありませんが、クライアントさんが親と上手く言っていない場合が多いのです。

不思議なのは、ネグレクト=育児放棄によるパーソナリティ障害の他に、過干渉によるパーソナリティ障害もある事です。

親に干渉され過ぎもネグレクト同様に子供の成育を阻害するのです。

アダルトチルドレンの方も、親から過干渉された経験を持つ方が多いのが特徴です。

これらの障害は、行動認知療法や心理療法によって改善する事が出来ます。

薬を服用する場合もありますが、いわゆる“育て直し”同様ですから時間がかかります。

長期的に専門家による心理ケアが一番効果的です。

それでは、私が担当したクライアントさんの例を元に、解決方法を探っていきましょう。

〇もしかして…という被害妄想

○まるでお姫様の様な理恵さん(仮名)24歳の場合

理恵さんを最初見たとき、私は一瞬、彼女はクライアントさんではなく、何かのセールスの方?かと思いました。

ベージュの品の良いワンピースを着こなし、にこやかな笑顔の理恵さんは、女性から見てもはっとするほどの美人。

彼女の背後には小柄で無表情な母親が付き添っていていました。

話を聞き始めてからは良い所のお嬢様…と思ったのを覚えています。

彼女は一流大学を卒業し、大手企業の事務職に付きました。

仕事をそつなくこなし、上司からも受けの良かった彼女はやがてその会社の花形である企画室に異動になったそうです。

事務職では与えられた仕事をこなすのに対し、企画室では自分で提案、プレゼンしなくてはなりません。

しかし彼女は自分から何かを発信する事が出来ませんでした。

言われた事は出来ても、意見を求められると沈黙してしまう彼女は次第に社内で孤立していきます。

やがて彼女は仕事の暗黙の了解や同意、グループの共通の理解にもついていけなくなり、次第に、「もしかして、私だけのけ者にされているのでは…。」という被害妄想に発展していきました。

ある日、「私を公安警察が監視している、駅の防犯カメラが常に私を見張っている」と言い出し、部屋のカーテンをきっちりと閉め、部屋から1歩も出なくなったそうです。

「怖い、怖い」といい続ける彼女を母親は事情も聞かずに精神病院に連れて行き、そこで総合失調症の診断を受けて3ヶ月入院しました。

退院後、リハビリをかねて私の元にやってきたのです。

じっくりと彼女の生育歴を聞き取り調査した結果、彼女には「心理的ネグレクト」、愛着関係の欠如がある事がわかりました。

彼女の母親は感情の乏しい人でした。

育児と家事はできますが、心理的なケアが出来ない人だったのです。

たとえば、絵本を読んであげても、子供の感想をきかないで時間内でさっさと止めてしまう。

食事を作っても「美味しい?理恵ちゃんはハンバーグが好きだね」と言ってあげられない。

子供が転んでも「痛かったね、大丈夫?」と抱き起こす事が出来ない。

会話の全く無い怒りもしなければ褒めた事もない子育てをしていたのです。

その結果、理恵さんは、「この色は何色ですか?」という質問には、「赤です」と答えられますが、「何色が好き?」と言われると理解できず、沈黙してしまう、感情が欠落した人間に育ってしまったのでした。

人は成長すると親よりも他人とのふれあいによって自然と感情の共有を学びます。

しかし彼女は子供の頃から母親が人付き合いを嫌ったため、学校でも会社でも友人を作らなかったそうです。

容姿が良かったために、ニコニコしていれば、なんとなくみんなが優しくしてくれる。

勉強ができれば、先生が進路を用意してくれる

彼女は社会に出るまで、まるでお姫様のように生きて来たのでした。

○ネグレクトの心理療法

ネグレクトの心理療法では、まず本人が自分の性格と向き合い、社会的なコミュニケーションを学ぶ所から始まります。

自分の感情表現、他人への思いやりや愛情の受け止め方など、長い時間をかけて自分を“育て直し”して行くのです。

個人で行いたい場合は、やり方は個人差がありますので一概には言えませんが、下記の様なテーマを決めて、じっくりと取り組んでみてはいかがでしょうか。

.親以外の良い安全基地となってくれる存在にめぐり合う
.未解決の傷と向き合い、癒やす
.親に協力してもらって幼いころの不足を取り戻す
.自由に遊んだり、やりたい事を楽しむ
.グループセラピーで傷ついた体験を語る
.親と、または過去と和解する
.目標を作り、周囲との関係を築く
.何かを育てる
.ボランティアをする

いかがですか。

ネグレクトは多種多様で、単なる育児放棄でも物理的、心理的ネグレクトがあります。

年齢を重ねればネグレクトの影響が薄れ、問題なく社会生活を営める事もあります。長期的に考えていきましょう。

大切なのは、自分の気持ちです。

そして、相手がどう思っているかを考える想像力、コミュニケーション能力を身につける事です。

人付き合いが苦手、という自分を否定せず、自分を許容して下さい。

大丈夫、あなたの努力は、じわじわと性格を変えていきます。

そして将来、必ず相手の心を動かす原動力になるはずです。

親からネグレクトを受けたことによって起こったことの話はいかがでしたか。不安を取り除き過去の出来事に負けない方法を知りたい方はこちら

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