育児放棄をなぜしてしまうのか、ネグレクトという状態とは?

仕事と育児の両立は本当に大変なことです。頑張っているさなか、普通に生活していたある日、突然育児放棄をしてしまうことが起こった。原因はよく分からない、このネグレクトという状態とはいったいなんでしょうか。それについてお伝えしていきます


こんにちは。心理カウンセラーの松です。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

子育てに悩んでいるママに、カウンセラーとしてアドバイスさせて頂きます。

仕事と子育ての両立は、昔からワーキングマザーの悩みですよね。

“3歳までは母親が育てないと子供が可哀想”という母性信仰、3歳神話にあなたも悩んでいませんか?

今回は、何不自由なく暮らす美奈子さん(仮名)29歳が突然育児放棄してしまった事例を元に、いわゆる「ネグレクト」という状態について考えてみたいと思います。

○ネグレクトはどうして起こるのか

「育児は出口の見えないレースみたい…。」美奈子さんは病室のベッドでそうつぶやきました。

重度のうつ病と医師に判断された美奈子さんは、自分から進んでこのクリニックに入院し、3ヶ月がすぎた頃の事です。

主治医に寛解と言われ、経過は良好なのに一向に帰宅の意志を見せない彼女に、カウンセラーとして面談した第一声がこの言葉だったのです。

彼女はいわゆる出来ちゃった婚でした。

結婚と同時に7年勤めていたアパレル会社を辞め、専業主婦として子育てを夫から一任されていました。

毎日子供と向き合い、育児も家事も一生懸命やっていたそうです。

しかしある日、デパートのトイレに子供を置いたまま帰宅してしまいます。

帰って来た夫が慌ててデパートに連絡し、警察で保護されていた赤ちゃんを引き取りました。

しかしそれ以来、彼女はだんだんと朝起きられなくなり、泣きわめく赤ちゃんをそのままにして布団から出られない日々が続いたのです。

彼女がなぜこんな状態になったのか、夫である父親も、彼女自身も理由が分からないまま、彼女は病院から出ようとせず、子供との面会も拒否しています。

○誰も知らない

「ネグレクト」という行為が広く世間を騒がせるきっかけとなったのが、柳楽裕也が主演をつとめた映画「誰も知らない」でした。

2004年に公開されたこの映画は、1988年に実際に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として作られた映画です。

母の失踪後、過酷な状況の中で懸命に幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を柳楽裕也が熱演し、10代にしてカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得しました。

皆さんも記憶にあるかもしれませんね。

○大阪二児置き去り死事件

2010年、暑い猛暑のこの年、とある大阪のマンションで3歳の女児と1歳9ヶ月の男児の遺体が発見されました。

原因は栄養失調による衰弱死。

子どもを置き去りにしたとして逮捕されたのは23歳の母親でした。

母親が風俗嬢だったことと、子どもを置き去りにしてSNSでは遊びまわる様子を投稿していたことからメディアに取り上げられ、ここから“育児放棄”=ネグレクトの問題が広く社会問題として取り上げられるようになったのです。

○ネグレクトの問題点

ネグレクトの怖い点は、「親に罪悪感がない」場合が多い事でしょう。

ちょっとだけ、ついうっかりといった子供よりも自分を優先させるあまり子供を死なせたり、危機に陥らせる事がたびたびあります。

子供に愛情がないわけではないけど、経済的理由や精神疾患などからやむなくネグレクトしてしまう親もいます。

○母性神話という幻想

また社会的背景にも要因があります。

よく言われる「母性神話」という幻想です。

女性は子供が生まれたら本能で子供を可愛がり、時には自分の命よりも大切にする、こんな「母性神話」をあなたも信じていませんか?

実はこれは200年前から科学的根拠がない事が分かっています。

育児放棄するのは人間以外、動物や鳥にもみられる現象です。

植物でさえも、自分の成長を優先し、もしくは環境の変化が起こると花や実をつけなくなるのです。

メス=母性という遺伝子はありません。

しかしこの様な子供に絶対的愛情を捧げる「母性神話」が幻想であるにもかかわらず現代まで信じられている背景には、圧倒的父兄、封建社会の名残がまだあるからと言っても過言ではないでしょう。

女性だから子供好き、育児が得意な訳ではありません。

それは社会が女性に押し付けた幻想です。

確かに子供好きな女性は沢山いますが、遺伝的な本能ではないのです。

子育ては後天的要素が非常に重要です。

「母親だから」「母親のくせに」という言葉は、時として母親を無力化させ、ネグレクトを誘発させる要因になると覚えておいてください。

○子供を愛せない母親

子供よりも猫が好き、子供よりも男性が大切、そんな女性がいても全然おかしくありません。

生んだ以上は育てるのは親の責任ですが、愛情を注げるかどうかは別問題です。

子供を愛せない…とひそかに悩んでいませんか?

そんな自分に後ろめたさを感じつつも、つい子供に辛く当たったり、時には育児をおざなりにしてしまう経験は、母親なら誰でもあるはずです。

確かに子供は可愛い。しかし一番大切なのは自分の人生。

そう声高に叫べないのが一番ネグレクトを誘発します。

子育ては社会全体で、子供はみんなで育てるもの。

そういう風潮が世の中に現れれば、ネグレクトはかなり減少するはずです。

子供を愛したいのに愛せない、その原因は母親よりも社会にあるのではないでしょうか。

○ネグレクトの課題

1日中付きまとう子供、泣きわめく乳児、それを「母親だから」という一言で世間はスルーしてしまいます。

女性の社会進出を促したいなら、まずはそこから改める必要があります。

母親になる女性も、「3歳までは母親が育てる」といういわゆる3歳神話を自分1人で頑張ってはいけません。

確かに3歳までは密着して育てた方が子供の発達に良いのは間違いありません。

ネグレクトされた子供とされない子供は脳の大きさから違います。

脳は幼児期にほぼ100%形成されてしまうので、幼児期の子育ては非常に重要です。

しかしだからといって必ずしも母親1人が育てる必要はありません。

父親、赤の他人でも、適正に子育てさえすれば子供はすくすくと育ちます。

他者との愛着関係さえきちんと構築できれば、後からでも親子関係は良好に保つ事ができるのです。

子育てが大変だ、辛いと思った時は周りの助けや行政の保護を利用しましょう。

児童養護施設、養育里親を上手に利用しながら、ゆっくりと子供と向き合っていけば良いのです。

前述の美奈子さんですが、うつの原因は子供が欲しくなかったのに妊娠してしまい、精神的に動揺していた状態で離職し、環境が変わった事が原因でした。

子供が嫌い、という本心を夫にも誰にも打ち明けられず、家事育児を続けていて精神が疲労したのでしょう。

結局子供を養護施設に預け、一度辞めた会社に復帰しました。

まだうつ病の薬は飲み続けているものの、週末は子供を施設に迎えに行き、和やかに家族で過ごす生活を続けています。

いかがですか。

ネグレクトは“静かな虐待“です。表面化しにくく、誰でもやってしまいがちです。

大変なときは1人で抱え込まないで下さい。

誰かに伝える事、解決方法を見つける事。

それが、母親であるあなたの責任であり、ネグレクトにならない一番の解決方法です。

育児放棄をしてしまうネグレクトという状態についての話はいかがでしたか。心の問題を解決するためのヒントを知りたい方はこちら

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