双極性障害に有効な治療法はあるの?

双極性障害という言葉はあまり聞きなれていない方も多いかもしれません。でももしもあなたの周りにそういった方がいた時には治療法を知っていると大きな助けになると思います。今回お薬の話もしていますが、そのご相談はお医者様か薬剤師さんにお願いします。


こんにちは、心理カウンセラーのサチです。
MakeYouSmileマガジン!に投稿させていただきます。

「双極性障害は、どのような治療法があるんだろう?」
「精神科で、怖いことされないかしら?」

まだ、かかりつけの病院・クリニックがない方だと不安が大きく、
来院に二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。
しかし、そんなことはありません。

双極性障害の治療では、カウンセリングと投薬、
主にこの2本立てで行われており、
痛いことや辛いことを強いることはないのです。

症状で悩んでいる方も、すみやかに専門家の治療を受けることで、
生活の質(QOL)をアップさせる糸口が、見つかるかもしれません。

加えて、近くで“双極性障害の患者会”があれば、任意で参加もできます。
(“患者会”とは、当人やその家族でしか、理解できないことを話合うことで、
治療の一助とするのが目的のコミュニティのことです。)

《心理教育》

“心理教育”とは、専門家と患者本人が、先生と生徒の関係で、先生が生徒を教育するということでありません。
“心理教育”は、一般で言う、“カウンセリング”のこと。
当人が、「双極性障害とは何か?」「どういう症状が起こるのか?」
などを、自覚していくことで、再発を最小限にとどめるのが、“心理教育”の目的なのです。

★認知行動療法

うつ状態のときは、誰でもマイナスな方向へ、物事を考えてしまいますよね。
(これを、『否定的自動思考』と呼びます。)
『否定的自動思考』によって、うつが引き起こされやすくなり、
それを繰り返せば、さらにうつ状態を深刻化させてしまうことも。
否定的自動思考をしているときに、
「あ、今のは、うつから来るマイナス思考なんだな。」
と気づけるようになるのが、認知行動療法の目的。

『否定的自動思考』には、5つのパターンがあります。
・物事を白か黒、100か0でしか捉えられない、「全か無か思考」

・自分も他人も、一定の価値観でしか捉えられない、「~すべきだ思考」

・まだ起こってもいないこと、相手に確認をしていないのに、勝手に自分で予測してしまう。「心の先読み」

・自分が、マイナス方向に受け取っただけで、その物事・相手に対し、マイナスと決めつけてしまう、「感情の合理化」

・少しの間違いをしただけで、自分はダメな人間だと考えてしまうなど、自分や他人に、烙印を押してしまう、「ラベリング」

これらの、5つの考え方のクセを気づいて、是正していくことで、
うつ状態、うつのスパイラルに陥る頻度が、段々、減っていくという効果があります。

★対人関係療法(IPT)

“対人関係療法”は、医師またはカウンセラーと患者本人、1対1で行われるところは、認知行動療法とスタイルが同じです。
当人の、生い立ちや育ち、過去のできごとなどではなく、
最近の人間関係に関することを扱いて、特に3つのポイントに焦点をあてています。
・身近な人の死
・対人関係の不一致(上司や同僚とうまくいかないなど)
・立場の変化(結婚、昇進、引っ越しなど)

これらは、うつ状態の原因になりやすいので、専門家と対話することで、上手な適応方法を気づいていくのが、目的です。

★社会リズム療法(IPSRT)

“社会リズム療法”とは、毎日の起床時間、食事、入浴、入眠時間など生活リズムを記録していき、
生活リズムの乱れに気づくことで、これを修正していくというもの。
双極性障害では徹夜が躁転の原因になったりするので、
夜中は電気を消して寝るというだけで、症状の波が穏やかになったというケースもあるくらいなんですよ。

参考文献:双極性障害の疾患教育と対人関係・社会リズム療法

《ECT(電気けいれん療法)》

自殺企図するくらいの強いうつ状態、重いうつ病の治療に、高い効果がある方法です。
電気けいれんというと、ヘッドギアをして、電気椅子に座らされるような、怖いイメージを持たれるかもししれません。
しかし、これは、麻酔医による、麻酔や呼吸循環の管理を行ったうえで、行われる、安全性の高いものです。
最近は、けいれんを起こらないようにした、『修正ECT』が、広く取り入れられているので、安心してくださいね。

《投薬治療》

<編集注:以下、具体的な薬についてのご相談は、お医者様や薬剤師様にお願いします>

精神科領域で扱われる薬は、まとめて、『向精神薬』と呼ばれています。
双極性障害の治療では、
気分安定薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、甲状腺ホルモン剤
の5種類の『向精神薬』が、主に用いられ、医師が、症状に応じて組み合わせ、処方しています。

☆気分安定薬

気分安定薬は、文字通り、気分のアップダウンの波を、穏やかにする効果があり、双極性障治療の主体となる薬です。

【気分安定薬 代表例】
リチウム、バルプロ酸(商品名:デパケンなど)、カルバマピゼン(商品名:テグレトールなど)

☆抗精神病薬

抗精神病薬は、統合失調症の妄想・幻覚に使用される薬ですが、双極性障害の躁状態にも効果があります。
抗精神病薬には、古いタイプと新しいタイプがあり、
古いタイプを、「定型抗精神病薬、あるいは第一世代抗精神病薬」と呼び、
新しいタイプは、「非定型抗精神病薬、あるいは第二世代抗精神病薬」と呼ばれています。
双極性障害には、比較的新しいタイプの、非定型抗精神病薬の方がよく用いられますが、
古いからダメということではなく、症状に応じ併用して投薬することも、よくみられます。

【定型抗精神病薬 代表例】
ハロペリドール(商品名:セレネースなど)、レボメプロマジン(商品名:ヒルナミン、レボドミンなど)、
クロルプロマジン(商品名:コントミンなど)、スルトブリド(商品名:バルネチール)、ゾデピン(商品名:ロドピン)

【非定型抗精神病約 代表例】
オランザピン(商品名:ジプレキサ)、クエチアピン(商品名:セロクエル)、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)

☆抗うつ薬

抗うつ薬は、文字通り、うつ病・うつ状態の緩和・改善の効果があり、双極性障害の治療にも、頻繁に用いられています。

抗うつ薬には、古いタイプと新しいタイプがあり、
古いタイプは、「三環系抗うつ薬、あるいは第一世代抗うつ薬」
新しいタイプは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬=SSRI、あるいは第二世代抗うつ薬」と呼ばれています。

三環系抗うつ薬は、古くから、うつ病・うつ状態の治療に用いられてきましたが、
双極性障害のうつ状態には、実は不向きで、躁転したり、急激に躁とうつを繰り返すようになったりすることが分かってきており、
主に新しいタイプのSSRIが、広く使われるようになっています。

【第一世代の抗うつ薬 代表例】
イミブラミン(商品名:トフラニールなど)、クロミプラミン(商品名:アナフラニールなど)、アミトリプチリン(商品名:トリプタノールなど)

【第二世代の抗うつ薬 代表例】
パロキセチン(商品名:パキシル)、フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)、セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)

☆抗不安薬

抗不安薬は、病的な不安ではなくても、用いられています。
うつ状態で落ち着かないときだけでなく、激しい躁状態を鎮静させる効果もあります。
特に、双極性障害治療では、ベンゾジアゼピン系が用いられています。
眠気が強くなるものは、睡眠導入剤としても。

【抗不安薬 代表例】
ジアゼパム(商品名:セルシン)、ロラゼパム(商品名:ワイパックス)

☆甲状腺ホルモン剤

甲状腺ホルモン剤は、重いうつ状態や、躁とうつを年に4回以上繰り返す「急速交代型」の、治療にも効果があります。
(ホルモン剤と聞くと、警戒してしまうかもしれませんが、肉体が男性化したり、女性化するわけではないので、ご安心くださいね。)

以上ご紹介させていただいたのが治療の種類になります。

お薬の名前が沢山出てきて不安を覚えてしまうかもしれませんが
お医者様にかかったときにしっかりと相談できますので安心してください。

そして何よりも重要な事は、すみやかに専門家の治療を受けることです。

双極性障害の治療については理解できましたでしょうか?心がほっとするような話をもっと聞きたい方はこちら

◯この記事がお役に立ちましたらぜひソーシャルメディアで共有してくださいね^^

最新の人気記事

サブコンテンツ